アメリカ人の英語の聞き取りに苦しむ駐在員が英語コーチング「プログリット(PROGRIT)」の「ビジネス英会話コース」に3カ月間挑戦。その体験について綴ります。自分にぴったりの勉強法に悩んでいる方に参考にしてもらえれば幸いです。
プログリット 3カ月を終えてのまとめ
オンラインコーチングの「プログリット」のビジネス英会話コースとは、ビジネスで使用できるリスニング・スピーキング力を習得することを目的に
専属コンサルタントが個人ごとにカスタマイズした学習計画を立て、その進捗を測りながら並走してくれるというものです。
英語力が中級以上となると、成果が見えづらくなることもあり、英語の勉強法に自信がなかなか持てなくなります。
そんな中、プログリットのコーチングサービスはどうだったか?

※当記事は、プログリット社のアフィリエイトプログラムに参加しています。記事内容は公平さを心がけています。
まずは受講の感想ですが、
効果としては確かにあり、これまでの自己学習では感じられなかった改善を感じることができた
さまざまなトレーニング法と超えるべき基準が身に沁みついた
でも、「こんだけやったんだから、もうちょっと伸びてほしかった…」という気持ちにもなった
というのが正直なところです。
私が感じたポイントは以下です。
- 学習の方法論がしっかりしてる
- コンサルタントとの並走効果はある(確かにこの学習量(3時間/日)を確保するのは1人ではキツい)
- 学習計画のテーラーメード感は薄い
まとめると、
方法論は良い。自分にフィットすると信じられる学習計画を共に作り、やり切る意識が必要。
この物量(3時間/日)を真面目にこなすと成果は出る。しかし、どれだけ成果を出せるかは計画とのフィット感次第。
まずコーチングを開始した経緯から順に説明します。
プログラム開始までの経緯
アメリカに来て数年経ち、多少は英語が分かるようになってきていても
ネイティブとの打ち合わせでは絶望させられることもしばしば。
まず特にリスニングがつらい。
スピーキングもつらいけど、やっぱり駐在員って現地側の事情や困りごとを正確に理解してなんぼみたいなところがあると思うのです。
そんな中で前から気になっていた英語コーチングを試してみることにしました。
プログロットともう一つの他社の2社のカウンセリングを受けてみたところ、
どちらも同じようにコンサルタントはバイリンガルの方をつけてくれるというオファーでしたが、
カウンセリングにおいて、リスニング力に対する課題とその対応策についての説得力がプログリットは高かったため、早速受講を開始しました。
プログリットの方法論
プログリットは方法論がかなりしっかりしています。
プログラム開始前に、プログリットのプログラムを提供している岡田さんの著書をサービス開始前に読むように言われました。
さくっと読める内容ですが、方法論的にはしっかりしていて、納得度の高いものでした。
例えば、「英語を科学する―リスニング編」では、以下のように記載されています。
原因は、大きく次の2つに分かれます。
①音声知覚ができていない
②意味理解ができていない
ご自身のリスニングの課題がどちらなのかを、ぜひ考えてみてください。音が聞こえて、それがどういう単語か浮かんでいない人は音声知覚が課題ですし、単語は頭に浮かんでいるものの意味が分からない人は、意味理解に課題があります。当然ですが、音声知覚を鍛えるトレーニングと意味理解を鍛えるトレーニングはまったく異なります。この大きな方向性を理解し、その課題に合ったトレーニングをすることで学習効率は大幅に高まります。
このことは無料カウンセリングでも説明を受け、とても好感を持ちました。
各トレーニングの目的がなんとなくではなく、きちんとした論拠に基づいて設定されている
ということがプログリットの強いところだと感じます。
コンサルタントとの並走効果
方法論を読んでそのまま実践できるのであればリーズナブルです。
ただ、1日3時間のトレーニングはなかなかキツく、内容的にも退屈です。
独学であれば途中で辞めてた可能性は高いと思いますので、
毎週チェックを受け、単語や瞬間英作文のテストを受けたり、
方向性の相談をしたりするということがモチベーションの維持に繋がります。
ということで、継続性という面でコンサルタントが並走してくれる効果はあると思います。
ただ、コンサルタントとは相性が合うかどうか、相手の言うことが信頼できるかどうかがそれ以上に重要になります。
コンサルタントへの疑念を残さないというこちら側の努力もやはり相当必要だと感じました。
学習計画のテーラーメード感
コーチングサービスに「自分にピッタリの学習計画」を期待する人は多いのではないでしょうか。
私もその一人でしたが、正直定まった基本コースを辿っているという印象を持ち、コース内容には何度が疑問を伝えました。
単語やシャドーイングの負荷が軽すぎるように感じた際には、そのようにコンサルタントに伝えましたが、結局特に方針に変更はなく、順々にレベルを上げていくことになりました。
この点は反省ポイントです。
「こういうものかな…」となんとなく、そのまま継続したこと
結果を見てみると、もう少しきちんと話し合えばよかったと思いました。
本人負荷は本人にしかわからないので、疑念が芽生えたら納得がいくまで話した方が良いと思います。
そうでないと定形的な計画に沿って学習は進みますし、
やはり「これ意味あるのか」と思いつつやる学習はイマイチです。
計画とのフィット感が成果を大きく左右するように思います。
成果は?
結果として、VersantのGSEスコアは62→69になりました。
まず初めに専属コンサルタントと目標を設定します。私は初め以下の目標を伝えました。
プロジェクトにおける複雑かつ速い内容の聞き取り、英語で思考しその場で対応できるようになること。いちいちミーティングを聞き返さなくてもポイントが押さえられること
ただ、それは私の現在のレベルからすると3カ月だと難しいということでした…
上記は、Versantスコアで言うと80くらい必要だけど(CEFER C1:上級)、私は現状62(B2:中上級)なので1年くらいかけないとそのレベルまでの到達は厳しいとのこと。
ということで、当座3カ月後の目標として以下を設定することになりました。
日常生活の聞き取り、初対面の人とのコミュニケーション力向上によりネットワークを作る力を身に付ける。専門外の話でもある程度柔軟に対応できること
当時MBAプログラムを修了したばかりで、色々ネットワーキングやディスカッションの場面で課題に感じることが多くあったため、このような目標になりました。
スコアとしては伸ばすことができたものの、課題感のあったリスニングを大きく伸ばすことはできず、スピーキングが向上しました。
目標であった「日常生活でのリスニング向上や初対面でのコミュニケーション」という意味でも、
スピーキングには大きく改善を感じましたが、リスニングは多少改善したと感じるくらい。
アプローチは良かったと思うので、リスニング力向上のためにもっといろいろと教材選択や学習計画を話し合うべきだったと思いました。
そうすればもっと伸ばせたかもしれません。
コーチングの相性や学習計画に対する疑念が浮上するたびに払拭しきることにより、成果を最大化できるのではないかと思います。
方法論としてはとても信頼できると思いますので、あとは高額なコストに見合うだけの成果を自身が出せるかどうか。
そして、最後に見過ごせないメリットは、方法論を体に叩き込まれることです。
シャドーイングの方法には前に触れましたが、それ以外にも
「単語は見て即座に意味が分かるようになるまで訓練する」
「1分間スピーチを初発120WPM*をクリアしつつきちんと言いたいことが言えているか確認する」
といったトレーニングの際に、気を付けるべき基準が体にしみこみます。
そういったメリットこそが実は長期的に最も効能が大きいです。

3カ月後は1年分の学習計画を作ってくれます。
身に付けた方法論を活かしながらその後も学習を継続することができました。
3カ月だけでもなかなかキツイのですが、得るものはあると思います。
勉強法に悩んでいる人、コーチングサービスが気になっている人の参考になれば幸いです!
*Word Per Minutes: 一分間に発話する文字数のこと。この初発WPM120を目指すトレーニングはなかなかクリアできずに泣かされました。
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