アメリカ英語のイディオムを学びたい人向けにアメリカ英語のイディオム集「Idiomatic American English」を紹介・レビューします。
「Idiomatic American English/Barbara K. Gaines」
アメリカに行くと困ることのひとつが、イディオムが多用されることです。
そんなん聞いたことないよという言い回しが普通に使われます。
一番初めに聞いて戸惑ったのが”ballpark figure”です。
野球場?と思いましたが、「おおよその数字」という意味で”ballpark”は一定の範囲のことを意味しているようです。
そういうことで、イディオムをある程度理解しないと会話についていけないことに気づきます。
そこで「Idiomatic American English/Barbara K. Gaines」を購入して練習することにしました。
(日本)

(アメリカ)

私は上記アメリカのAmazonの中古で勝ったので値段はとても安かったです。
1~100レッスンで構成されていて、1レッスンあたり1ページ使って例文とエクササイズが掲載されています。その例文の中にレッスンのタイトルになっているイディオムと他の関連イディオムも8~9個程度掲載されていますので、総数は800~900個の語彙が紹介されていることになります。
洋書なので日本語はありませんが、薄くて使い勝手の良さは結構いい感じです。
レビュー
初版は1986年とのことでかなり古い本のようで、音声などもありません。
しかし、非常に読みやすく使いやすいつくりです。
100ページのレッスンのタイトルになっているイディオムの中で、私が実際に会話で使われているのを聞いたことがある数を数えてみたところ、30個でした。
とても使いやすく内容も良いのですが、ビジネスで使用されている頻度は少ないのかなと感じました。
レッスンタイトルになっているイディオムよりも、会話例の中に出てくる関連イディオムがよく使われていたりします。
例えば、Lesson 82 ”The Bum’s Rush(強制立ち退き)”では、The Bum’s Rushは聞いたことがありませんが、レッスン内に出てくる“rock the boat(波風を立てる)””sleep on it(一晩考える)”などは仕事でも使われているのを聞きます。
未だに一度も実生活で聞いたことがないイディオムが多いので、
ビジネスというより日常会話や海外ドラマ向けかもしれません。
“face the music”(責任を取る)という言い回しが本の中に出てきます。
実生活では聞いたことはありませんが、海外ドラマのFull Houseでは使われてました。
ジョーイおじさんとジェシーおじさんの間のやり取りで、責任逃れをするジェシーに「いい加減自分の過ちと向き合って責任を取るんだ」というニュアンスで使われていたと思います(逆かも?)。
また、“behind the 8 ball”(困難な状況に立たされる)という表現が出てきます。
ビリヤードから来た表現のようですが、これを同僚(50歳台)が先日使っているのを初めて聞いて感動しました。
“Eventually, we have to do… then we are all behind the 8 ball“(結局僕たちは~しないといけなくなって、みんなが困ったことになる)みたいな使い方でした。
この本読んでないと絶対わからなかったと思います。
他のイディオム本でも見たことありません。
おいおい、これわかるやついるかい?
とやや自尊心が満たされた感じがします。
もう一つ、“A Lemon”(欠陥品)という言葉が出てきますが、
アメリカでは、自動車のリース契約をするときにはLemon Lawと呼ばれる
「あまりに欠陥品だったらちゃんと交換するからね」という購入者保護のための法律に基づく書類にサインをします。
これもあっ、レモン使われてる!と嬉しくなりました。
この3つとも、それぞれ一回ずつしか聞いたことがありません。
ビジネス目的に使うには若干マニアックかなと思いますが、使いやすさとここでしかあまり見ない表現もあるので、日常で発見した時の喜びはひとしおです。
(本当はよく使うのにたまたま私が聞いてないだけだったらそれは本当にごめんなさい)
海外ドラマや日常会話の理解を深めたい、英語大好きな方はどうぞ!
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